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“多気百景”インスタグラムフォトコンテスト2023【前期】結果発表
2023/11/14
“多気百景”インスタグラムフォトコンテスト2023【前期】へ
たくさんのご応募ありがとうございました。
今年度は、写真家の中里和人様に審査委員長としてご参加いただきました。
審査について、全体の総評、また最優秀賞、優秀賞、そして審査員特別賞を受賞された作品へ
講評をいただきました。これからご応募を検討されている皆様、是非、参考にしてください。
多気町フォトコンテスト審査講評
ごあいさつ
多気町のInstagramフォトコンテストの審査をさせていただく写真家中里和人です。多気町五佐奈出身で、写真家として40年余り作家活動を続け、東京造形大学で16年間写真専攻領域の教員をしてきました。これまで、県内では三重県展の審査員を務め、三重県立美術館で子ども向け写真ワークショップを手がけ、同時に個展も開催しました。他の県や市などでも多数の写真展審査を務めてきています。
2022年から多気町五佐奈に、実家を改装したギャラリーsana villageを開館し、写真を含むデザインとアートでの、地域に根差した文化発信の活動をしています。
総評
2023年度前期の「多気百景Instagramフォトコンテスト」には、133点の応募総数がありました。今回の拝見させてもらうと、春から夏にかけての様々な花や小さな生き物たちがたくさん投稿されていました。そのことは、多気町の土地が持つ、里山としての自然環境の豊かさを反映しているものだと感じました。
他にお祭りや鉄道風景など、多気町の魅力的な景観を応募してもらいました。審査においては、身近な光景を見つけた感動に着目し、多気町の新たな風景を選ぶよう心がけました。
写真にとって大切なのは、新たな光景の発見や撮影した写真が発散する感動の力です。特別な絵になる対象でなくても、新たな多気町の魅力につながる独創的な写真を選ぶことを念頭にいたしました。
入賞作品は下記の作品に決定しました。
おめでとうございます。
審査結果をここに発表いたします。
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【最優秀賞】
『夏のビーフロード』
撮影者 辻 享子 様
講評
よく晴れた日に、道路と道路が交差するトンネル状の穴から遠くに青空が見えています。なんの変哲もないような光景のようにも見えますが、手前の空とは異なり、トンネルの向こうの空はシュールな絵のようにも見えてきて、不思議な遠近感を作り出しています。タイトルのビーフロードも、牧場や牛の飼育農家が多いという意味合いでなく、ぽかんと広がる牧歌的な景観の状況を膨らませています。画面中央に占める緑の植物、青空、白い雲、灰色の道路の色彩的コントラストも絶妙で力強い写真になっています。一見、どこにでもあるような光景にも見えますが、作者の観察眼の強さから発見された、新たな多気町の景観だと思います。
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【優秀賞】
『かわたれ時を走るキハ85系南紀号』
撮影者 山田 剛愛 様
講評
タイトルにもあるように、夕暮れが夜の闇に溶け込んでいく時間帯「かわたれ時」の列車が写っています。このような時間帯は、それまで見えていた日常の光景がドラマチックに変化していきます。その時間を選び、シルエットの山を背景に、鉄橋を渡る列車と櫛田川の水面に浮かぶ列車を見事に写し込んでいます。象徴的な赤い夕焼けがおさまり、青系の空と水面だったことが功を奏し、どこか幽玄の世界に彷徨い込まれるようです。
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【審査員特別賞】
『弁天堂と水鏡』
撮影者 原 勝美 様
講評
日が翳った後の、丹生大師の池と朱塗の弁天堂が写されています。静かな佇まいの中、清らかな空気感が醸し出されています。手前の池が水の神様でもある弁財天を祀る状況をよく現し、池には錦鯉が泳いでいます。写真にはセラピー効果もありますが、この光景には静寂感と安寧(あんねい)感につながる心安らぐ情景があります。
【審査員特別賞】
『雨上がりの夕景』
撮影者 廣瀬 千名美 様
講評
応募の写真には多気町の列車を撮ったものが数多くありました。櫛田川の鉄橋が多い中、作者の写真は夕暮れの水田の中を走る光景を捉えています。その場所を発見した作者の視線に共感します。背景には街並みと山並みが入っていて、遠くに尖った掘坂山も見えます。列車とともに多気町らしい里山の風景が見事に融和しています。
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【特別賞】
朝長の夕景
撮影者 森本 泰治 様
【特別賞】
『星ふる夜の紫陽花たち』
撮影者 unranran 様
【特別賞】
『土羽の彼岸花群生』
撮影者 大田 明弘 様
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順不同
おめでとうございます。